うつ病と診断されたのは数年前のこと。
当時は仕事も生活もままならず、ただ毎日をなんとかやり過ごすことで精一杯でした。
それからしばらくして体調が安定し、少しずつ日常を取り戻していく中で、ふとしたきっかけで 「精神障害者保健福祉手帳」という制度の存在を知りました。
正直に言うと、「もっと重い症状の人が対象なのでは?」と思い込んでいました。
薬を飲みながらもフルタイムの仕事をしていたので、自分には関係のない話だと思っていました。
でも調べていくうちに、「軽度のうつ病でも条件を満たせば手帳の申請ができる」ことを知ったのです。
手帳を取得するまでの流れ
私が実際に手帳を取得するまでの流れを簡単にご紹介します。
- 主治医に相談
「手帳の取得を考えています」と伝えたところ、必要な診断書を書いてもらえることになりました。 - 診断書の発行費用
病院によって異なるとは思いますが、私の通っている病院では1通1万円ほどかかりました。 - 市区町村への申請
診断書や写真、申請書などを揃えて市役所へ。書類の確認や不備のチェックを受けたのち、正式に申請となります。 - 待機期間
申請してから実際に手帳が届くまでには、約2~3か月ほどかかりました。
手帳を取得してよかったこと(メリット)
手帳を取得したことで、実際に受けられたメリットには次のようなものがあります。
- 住民税・所得税の控除
確定申告や年末調整で障害者控除を申請できるようになり、税金が軽減されました。 - 公共施設の割引・免除
美術館や博物館など、無料または割引価格で入館できる場所がたくさんあります。 - 駐車料金の割引・免除
一部の公共駐車場や商業施設では、手帳提示で駐車料金が無料または割引になるところもありました。
手帳を持つことのデメリット
一方で、気になるのが「デメリット」について。正直に感じたことも共有します。
- 会社や周囲に知られるのが不安
手帳を取得しても、申告しなければ会社には知られません。ただし制度の利用に会社の証明が必要な場合は注意が必要です。 - 自分が“障害者”と認める葛藤
初めは「こんな自分が手帳を持っていいのか」と自問自答しました。
でも、制度は“必要な支援を受けるための手段”だと気づいたとき、気持ちが楽になりました。
まとめ:軽度でも「支援を受けていい」
私のように、軽度のうつ病であっても、日常生活に困難を感じているなら、手帳の取得は決して特別なことではありません。
制度をうまく活用することで、生活の質を少しでも上げることができます。
「助けを受けることは甘えじゃない」
そう思えるようになるまで時間はかかりましたが、今は、手帳を取得してよかったと心から思っています。
これから申請を考えている方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
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